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本書は、三つの章から成る。本書は、浦島伝説について語る本であるが、本書の語り自体が浦島伝説と同じ筋書きになっているというフラクタルな自己相似性を持つ。第1章で、本書は読者を竜宮の世界に招待する。子宮から生まれた子供が子宮に戻るような気持ちで、読者は現在から過去に思いを馳せてほしい。ここで語られるのは、個人史的にも人類史的にも忘れ去られた時期である。第2章では、読者は、竜宮から元の場所へ戻る。個人史的には、それは去勢体験の時期であり、人類史的には、それは、キリスト教、イスラーム教、仏教といった父権宗教が成立し、地母神崇拝が忘れ去られ、抑圧される時期である。第3章では、玉手箱を開け、あっという間におじいさんになってしまったような境地で、個人史と人類史の全体を回顧する。そこで、読者は、浦島伝説の謎を解くことを通じて、個人史と人類史が、精神分析学的に類似の過程を経ていたことを理解するであろう。
著作家。インターネットを主な舞台に、新たな知の統合を目指す在野の研究者。専門はシステム論。1965年、京都生まれ。1988年、大阪大学文学部哲学科卒業。1990年、東京大学大学院倫理学専攻修士課程修了。1994年、一橋大学大学院社会学専攻博士後期課程単位修得満期退学。1997年、初めてウェブサイトを立ち上げる。現在、ウェブサイト「永井俊哉ドットコム」を運営している。